私の住む街では、パンバブルが巻き起こって以来、道行く人が誰もパンのことばかり話していた時期がありました。(実話)
目の色を変えてパンについて考え、話し、美容師さんもパン情報が1番お客さんが笑顔になる話題として、誰も彼も週末や平日の休日にパンを食べ、買いに行き、調べ、パンの袋を持って歩いていました。
で、いきなり終わりました。
後に私が「この街にはパンバブルがあったんですよ」と報告すると、大変爆笑され、思わず笑って頂けて嬉しかったので、よりパンバブルについて話し、にこやかで楽しいひとときを過ごしたのが、記憶に新しいです。
その後、昨年2024年になって街に出てみると、今度はやたらとドーナツ屋さんだけ行列が出来ており、なぜそんなにドーナツを食べたいんだろう。美味しいのだろうか。並んでがんばってドーナツを購入し食べているしスマホで撮っているし、これは・・・?
とATMの前で眺めながら、ドーナツ? としばらく考えておりました。
年が明け、とうとう私は結論を出しました。
「私の住む街で今、ドーナツ合戦(かっせん)が起こっている」
未だに購入したことがないのですが。
中州にあったアンティーク映画館の隣にある蒸気屋で、ドーナツを2個テイクアウトし、この頃はロビーで食べて良いのかしら? としれっと食べていたら、ウキウキと若い女性が1つ明けて隣に座り、さっそくサンドイッチを食べ始め、
「映画と言えば、これ!」という雰囲気がロビーに充満したのを、頬を染めて思い出す素敵な記憶となっています。
蒸したドーナツも美味しい、と新たな味が増えた体験だったのですが、現在、私の住む街では「クリスピードーナツ」が主流なんだそうです。
美味しいそうです。
何度か「美味しいですか?」
と確認しても、「うん。美味しい」とおっしゃるので、美味しいんだと思います。
外はサクサクで中は、美味しいんだそうです。
並んで食べるべきドーナツなんだそうです。
個人的には、現在の若者、青年達は、やりくりがとても上手なので、要所要所に必要な投資をして好きな物を購入する、という哲学が反映されているようです。
確かに、安価でお腹に溜まりやすく、片手で食べられ、ファッション性とデザイン性も高い、現在の少し華やかなドーナツは、アクセサリーを食べてる気持ちにもなれ、合わせるコーヒーと共に、街角で立ち止まったり、座って楽しく過ごす時間が入っています。
並んでいる青年達は、皆、どこかシックだったりお洒落だったりして、ドーナツを買いに並ぶ独自のTPOがそれぞれあるようです。
買った後の自分の予定が、クリスピードーナツに入っているんだろうな、と思っています。