食べ物には適温があるのではないか? というのが、長年食事をしてきて感じていることです。
私は俗にいう猫舌で、熱々をいただく。の、熱々の状態がどうしても口に入れられません。
熱すぎるんです。
ハフハフとして食べられなくはないんですが、そのハフハフしている状態で、舌や口の中に入れておく温度には、「限りがある」と考えています。
強く主張したいので、もう一度書きますが(笑)
熱々の状態でいただく、と言っても、舌の上または口の中に入れておく食べ物(飲み物)の温度には、「上限が絶対にあります」。
そしてそれは訓練とか慣れとかよりも、個人差なのではないか、と私は日々、聞かれもしないのに力説しては、微妙な雰囲気を作っています。
口の中に入れるものを、口の中にとどめておけない温度で口に入れるのを推奨する、「熱々をいただく」の「熱々部分への勘違い」は、ちょっとやめて欲しいなといつも思ってるんです。
理由は、いまはこういう状況ですから、カウンターでの食事ってハードルが高くなってしまってますが。
・・・私、天ぷらが好物なのに、カウンターのみのお店だともう入れないんです。
揚げたての熱々を提供されて、それをすぐに食べないと気まずい雰囲気になってしまうから。
天つゆにつければ大丈夫という話ではなく、つけても熱いものは熱いですし(衣の中の具材が熱々になってる)、カウンターでご主人や従業員の前で、ベッチャリ全方位に天つゆをつけてから、気にせずに食べられるか、という話になってくるんですよ。
私には無理、無理です。←(笑)
同じく、たこ焼きも好物ですが、これも作りたてを食べられないので、店頭でリズミカルに焼いているたこ焼きの焼きたてではなく、ちょっと置いておいた、温めてあるのを箱に入れてもらいます。
でもそういう注文を出すとお店の人に悪いので、必然的に、店頭で焼いてないたこ焼き屋さんで買うか、焼きたてを詰めてくれたのを、すぐ食べるような顔をしながら、店から足早に遠ざかり、自分の「ぬくい」温度になるまで待って食べています。
それくらい、猫舌ライフって熱々が食生活の中でネックになってるんですね。
で、この食べ物の適温。
猫舌界隈だけでなく、普通の食べ物にもあります。
私の場合は、アップルパイと”きしめん”がそうでした。
私は長い間、アップルパイがとても苦手だったんです。
美味しさのツボが全くわからなくて、無理に口に入れても、よくわからない味わいを咀嚼して飲み込むだけで、どうしてこんなにたくさんの人が作ったり食べたりしているんだろう? と不思議でしょうがなかったんです。
でもある日、りんごがどうしても余ってしまって、ジャムを作るか、アップルパイのフィリング(パイの中身のアレ)を作って、とりあえず保存しておかないと腐らせてしまう事態になったので、渋々、アップルパイを作り始めたんですね。
作ったのは、冷凍パイシートを使った、リンゴと砂糖とシナモンがあれば、オーブンで簡単に焼ける、初心者向けのアップルパイです。
そうしたら、出来たものを食べた時に、ものすごく美味しかったんです。
いままでのアップルパイ嫌いはなんだったんだろう? というくらい、異様に美味しくて、人に食べさせても好評だったんです。
これ何が原因かな、と考えると、私はずっと冷えたアップルパイしか食べたことがなかったんですね。
でも作って少し置いておいたアップルパイは、焼けた幾層もの生地も、中の温かいフィリングも、私にとっては適温の状態だったんです。
それで口に入れると、旨味がザクッ、ジュワッと口のなか一杯に広がったんです。
でもこれ、熱々だったら、口の中に入れても、痛みとハフハフ言って口の中を冷ますことに集中して、熱いものを食べた、という体験だけで終わったと思います。
どんな味かわかる温度というのは絶対にあるんじゃないか、というのが、私のアップルパイが大好きになった反転体験から出てきた経験値です。
同じく”きしめん”も、こちらは熱々をふうふう、吹いているうちに、きしめん本体が伸びてきてしまって、食べても、もちもちの温度を過ぎてしまっていたので、こちらも私はずっと苦手だったんです。
でも、いただきものの乾麺のきしめんに挑戦した時に、テーブルの上に運び、口の中に入れるタイミングが適温になるように逆算して、パッケージの裏に書いてある表示時間に合わせて茹で、麺つゆに着けて食べたら、小麦粉の風味が上品に鼻を抜けて、きしめんの旨味を生まれて初めて噛み締めることができたんです。
二例しか書いてませんが、私は、食べ物には適温があるんじゃないかと思っています。
その温度をうまく調整して食べると、多分、その食べ物が持つ本来の実力が発揮されて、美味しさとなって味わうことができるんじゃないでしょうか。
そんなふうに思っているので、実はビールもキンキンに冷やしているのは好みません。
飲む前に、梅雨頃なら15分から30分、冷蔵庫から出しておいて飲んでます。
みなさんにも、あまり得意じゃない食べ物があったとして、よかったら、熱過ぎないか、冷たすぎないか、「その食べ物の適温はどうなってるか」という点から、もう一度、苦手な食事体験を見直してみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、大好物が見つかるかもしれませんよ。
私の場合、食べ物の嫌いの反対は、大好きでした。
以上、アップルパイときしめんから考える、食べ物の適温について、でした。
腰の状態は、あともう少しというところで、ほとんど大丈夫です。
お騒がせしました。気をつけます。
冷凍パイシートで作るアップルパイのレシピは、「アップルパイ レシピ」で検索すると、基本のアップルパイというタイトルで出てくるレシピを私もよく作っています。
お茶の時間にはまだ間に合いますので、よかったら作ってみてください。
それでは、素敵な日曜日をお過ごしください。
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