昼間の最高気温が13度以上になる日が続くと、夜聞こえてくる緊急自動車のサイレンの音が、春の音にだんだん近づいてきます。
真冬のサイレンの音は、切れそうなほど澄んでいて硬い音。
春先の音は、澄んでいるけど、少しこもってもいて、音に柔らかい要素が加わっていく。
だいたいその頃になると、寒さの中に庭木の梅がほころび始めたり、猫柳の銀色が少しゆるくなったりします。
それを発見しては、ああ、もう微かに春が始まりつつあるんだなと思います。
街で暮らしていても、季節の訪れは、ささやかなダイナミックさで、生活のそこここを彩っているんですよね。
春を期待する気持ちと好きな冬という季節が行って欲しくない気持ちで、なかなかにこの時期は、贅沢な心持ちでいます。
繰り返し、そう生活は変わらないと書いているのは、
何もへそ曲がりじゃあなくて、
マスクをして消毒液を常備している生活の中でも、季節の訪れとか、
水道水の温度とか、夕方、ベランダに出たときに見上げる空、
というのは、やっぱりいつもの年と同じで、
変わらぬ器用さをもって季節の変化を報せてくるので、
暮らしぶりの根の部分は、さほど変わってないんです。
人の数だけいろんな暮らしがあると思うけど、
どうもこの状況に入って、声を上げている人の多くは、
ほとんど毎日人に会っていたり、週末ごとに出かけたり、している、
行動的な人が多いみたいですね。
私は小さく暮らしをまわしている生活派なので、
そういう声もあるよ、という意味で、こうして書いています。
春の気配がしてきたら音楽を変えるかというと、実はあんまり変えません。
夏がきたらガラッと変えるんですけど、たぶん春に変えないのは、外の変化がとても激しいから。
部屋に流す音楽のトーンを落ち着いたものにしておきたい、バランス感覚なんじゃないかと、自分で思っています。
表題曲は村下孝蔵の「陽だまり」。
アルバム「陽だまり」に収録されています。
「初恋」か迷ったんですが、冬に春や夏のことを考えるときに合う曲として、こっちを選びました。
「初恋」と並んで、村下孝蔵さんの代表曲なので、たくさんの村下孝蔵コンピレーションアルバムに収録されています。
書ききれないので、ここでは割愛します。
アニメ「めぞん一刻」の主題歌で、作品世界ととてもリンクしてて、アニメのオープニングを見ながら最初聴いたとき、すごい曲をまた作ったものだなと、感激しまくった記憶があります。
ラジオライブで、口数少なく「聴いた人があたたかい気持ちになれば」というようなことをおっしゃっていて、とても繊細で素敵な方だなと思ったのを覚えています。
2番がオープニングに使われてました。名曲ですよね。
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