不正解なカヌレが好きです。
カヌレの正解って、外側が硬くてパリッと中はしっとり、というものだと私は認識しているんですが。
私が好きなのは、外側もしっとりしててちょい硬くて、中もしっとりフワッと洋酒とバニラが効いている、カヌレなんです。
柔らかいカヌレって失敗じゃないのか、という声もあると思うんですが。
その不正解なカヌレ、すごくおいしくて私の周囲では好評だったんです。
以前、フランスの文化普及に熱心な、いまはもう閉店してしまったパン屋さんの話を書いたと思います。
そのパン屋さんで、私の言っている不正解な、柔らかいカヌレが売ってたんです。
もともと、ASMR料理動画で有名な、えもじょわさんの動画で取り上げられてて(レシピ本2冊持ってます)、世の中にカヌレなるお菓子があるんだ・・・、と思ったのがきっかけで、調べたら、私の住む街にもカヌレの専門店があったんですね。
それで早速買いに行って食べたら、想像以上に外側が硬くて、いっしょに入っていた説明書きに、外側がパリッと硬くて中がしっとりしているのがカヌレだ、とあったんです。
そんなもんかなぁ、と思いながらも、私個人としては、ちょっと全体的に硬すぎるし、中ももっとしっとり柔らかくていいのにな、と思ってたんです。
それっきりカヌレは買わなくなってしまって。
で、しばらく経ってから、その例のパン屋さんでカヌレが残り3個の状態で売ってて、もう1度食べてみようと、買ったら、外側もしっとりして柔らかくて、中もちょうどいい加減、洋酒とバニラがふんわり効いている、カヌレだったんです。
それ以来ずっと、そのお店がなくなるまで、そこのカヌレを買い続けてて、周囲の人たちにも好評だったんです。
結局、お店が無くなって、柔らかいカヌレ、不正解のカヌレが手に入らなくなって、あれこれカヌレを見かけては試しているんですが、どこのも、外側が硬いんです。
正解のカヌレばかりなんですよ。
あの不正解のカヌレって、1体なんだったんだろう・・・?と、いまでもわからないままなんです。
ただ、あのお店では、カヌレは人気商品だったみたいで、私がよく行っていた時間帯には、残り何個とかそういう状態でしかトレーの上に乗ってなかったので、需要はあったと思うんですよね。
実は先日も、また新たなカヌレを売ってるお店を見つけて買ってみたら、すっごく美味しいんですけど、当たり前に、正解のカヌレなんです。
ただ味は、無くなったパン屋さんのと、とても近かったんです。
だからあとは焼き加減を柔らかくしてもらいさえすれば、私のカヌレ探求の旅は終われるんですが。
常連さんでもないのに、「間違った方法で焼いてくれ」なんて、そんな無礼なことは言えず、こうしてここに書いてるわけです(笑)
柔らかいカヌレ。
みなさんの街にはありますか?
あれって本当に不正解なんでしょうか。
バゲットを徐々に柔らかく焼くようになってきた最近のパリ、みたいな感じで、カヌレも柔らかいものもあるんじゃないでしょうか。
そんなふうにずっと思い続けています。
以上、私は不正解のカヌレが好きです、という話でした。
正解のカヌレもおいしいんですけどね。
今日はお茶の時間に、ちょっとあらたまって焼き菓子なんていかがですか?
それでは、素敵な日曜日をお過ごしください。
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