プレリュードOp.28-7(ショパン)
演奏 三船優子
以前、わからなかったことのほうがよく覚えている、と書きました。
今回もその話です。
「櫻の園」という邦画があるんですけれど。
私はこの映画が大好きで、ネット検索をかけたら、1990年に公開された映画だったそうです。
最近ではリメイクもされているようですが、今回話題にしているのは90年公開のほうです。
非常に、静かな、美しくて、ある種のリアリティとフィクションがうまく混ざり合った、とても繊細でいて、一時期の瑞々しさを焼きつけるのに成功した、稀有な作品で、いまでも心の中に大切に残っている映画のひとつです。
ただ、この映画の台詞で、わからないな、と思った台詞があるんです
「あたし、毎年毎年、同じように咲く桜って、なんか許せないっていうか・・・。
こっちは次々、卒業していくっていうのに、全然変わらないなんて。そんなの。」
(映画:櫻の園 より)
参照リンク
人生論的映画批評・続 様
https://zilgz.blogspot.com/2013/09/90.html
私、この台詞を聞いた時、ああ、大変な台詞を聞いてしまったと、少し唖然としたんですね。
でも、同時に、私にはわからないんだな・・・、ということが、はっきり分かったんです。
私にとって桜というのは、毎年同じように咲く、とても嬉しい存在なので。
でも、わからなくても、これは、この鋭い感性は、絶対に記憶しておかないとダメだ。と強く思ったのも覚えています。
それで、わからないまま、私は、この台詞とともに、後に名作と言われる、映画「櫻の園」を、ずっと胸に持ってきています。
映画の内容については、特に何か書いたりはしません。
私にとってこの映画は、言語化するにはとても繊細すぎる、してしまうと、言葉にした端からどんどん違っていってしまう、そういう種類のものだからです。
素晴らしく、力のある評論や感想が、参照リンク先のブログ様をはじめ、フィルマークスの映画「櫻の園」の感想コーナーにたくさんあるので、懐かしい方はそちらを、興味のある方は、よかったら、映画のほうをご覧になってみてください。
20220409現在、WATCHAとU-NEXTで配信されているそうです。
ーー、今年も、私は幸運なことに、お花見に行くことができました。
「あたし、毎年毎年、同じように咲く桜って、なんか許せないっていうか・・・。」
毎年、この台詞を思い出しては、
薄く色づいた白い花を見上げて、息を呑むたび、
私には、わからないな・・・。
けれど、やっぱり、絶対に忘れてはならないことだな。
と、誓いのように、また想って、大切に胸にしまっています。
以上、わからなかった台詞についてでした。
桜前線、北上中のようですね。
お花見は行かれましたか?
たまには古い映画を観て、しばし別世界に身を置いてみる日曜日というのも、いいのではないでしょうか。
それでは、素敵な日曜日をお過ごしください。
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