凄い楽曲ですね。
Like Crazyは、K-POPと呼ばれるジャンルの可能性を新しいステージに一段押し上げた、とても画期的な楽曲だと私は思います。
この、主に80年代UKを中心に鳴らされていたポップスから洗練だけを抜き出し、2023年に新解釈とも新たな地平を切り出したとも言えるLike Crazyの、目眩がしそうなほど美しい虚無感の音が、BTSのメンバーであるJiminさんの手によって表現されていることに、とても意味深いものを感じています。
新しい音楽の行方、という意味でも、この楽曲は一石を投じる存在ではないでしょうか。
まだFACEは一周目なんですが、Like Crazyが好きすぎてリピートが止まらない状態です。
リードトラックとして最初に出されたのが、Set Me Free Pt.2だったんですけれど、Like Crazy にEnglish Versionが用意されていることから、最初から制作陣はLike Crazyをキラーチューンと認識していたのだと思います。
表現されている世界観について私が感じたことですが。
闇夜を彷徨う時間は、その奇妙に見覚えのある毎夜が、とても煌めいていて眩しく、自分がどこから来たのか、どこへ行こうとしていたのか、そんなことは全てどうでも良くなる、痺れた目眩の世界に包まれています。
ひたすら無為そのものでしかない享楽(きょうらく)に溺れ、ゆっくりと落下していく途中から眺める世界が、透き通った巨大な水槽越しの景色に思えて、その綺麗さに思わず涙ぐむほどな有様が、表現されていると感じました。
クレジットを見ると、Like Crazyは私の大好きなPdoggさん、それからGHSTLOOPさんによるプロデュースで、共作となる今作ではChris Jamesが楽曲制作に関わっていますね。またJiminさんRMさんの名前もクレジットされています。
Chris Jamesの名前はどこかで見た覚えがあったので、確認のため検索したところ、ドイツを拠点に活動するベッドルームポップと呼ばれる、ポップスの騎手と出てきます。
(個人の方のブログ様なので参照リンクはご遠慮させていただいています)
以前もBTSと仕事をしていたようで、Life Goes Onで楽曲制作に関わっていたと検索結果が返されました。
まだChris Jamesを全曲、可能な聴ける範囲で聴いていないのでよくわからない段階ではありますが。
Chris Jamesは閉じた空間に充満しているものを表現することに長けたミュージシャンの可能性が非常に高く、新しい風として運ばれてきたこの楽曲の、煌びやかな酩酊という要素の中心にいるのではないかと予想しています。
冒頭と最後に入っている麗人Vさん演ずる囁きと、常に明度の高い水を思わせるJiminさんの瑞々しく、刹那的な歌唱で表現されているLike Crazyの歌詞世界は、いつかの夜にふと聞いた、自分の横顔からの、薄い三日月のような打ち明け話だと、私は感じました。
最高の楽曲をありがとう! Jiminさん!!
以上、Like Crazy / Jiminでした。
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20230325 17:28 誤字と文章をなおしました。
20230326 07:10 誤字をなおしました。