Borgonovoのワイングラスとフレシネのセミセコロゼカヴァ |
ワイングラスをずっと持ってなかったんです。
それまでワインを飲む時は、昔、映画で見たのを真似て、ミディアムサイズのピカルディに、赤や白やロゼをドバドバ入れて飲んでいました。
でも、この頃、色々なことが少しずつ新しくなっていく中、さすがにワイングラスぐらい買おうよ、と思い、探していたところ、北欧、暮らしの道具店で見つけました。
読み物などを見に行き始めてけっこう経つんですが、こちらで買い物をするのは今回が初めての不良ユーザーなので、なんだかひとりで勝手に気まずくなりながら、このグラスをカートに入れて代引きで注文しました。
けっこう通販をよく利用するので、配送されたボックスの中身に、あまり買い物をした会社のホスピタリティを求めはしないんですけれど、手作りのアクセサリーなどを買った時は、作家さんのメッセージ入りのカードが入っていたりして、自分が何を買ったのか、よくそういうことで言語外のデータを体の中に蓄積させています。
今回の買い物では、グラスの後ろに写っている、同じく北欧、暮らしの道具店取り扱いのフラワーベースに、実際に花を生けたカードが入っていたので、綺麗だな、と思い、飾っています。
このカードの裏にはメッセージが印刷されていたんですけれど、箱を開けた時の、丁寧なそっけなさ、とでも言うんでしょうか。
あまりベタベタしてこない、素朴な明るいクールさが、ああ、こちらは、こういう感じで商品を送るんだな、と、いたく感心しました。
肝心のワイングラスは、ほとんどひとめぼれのように、あ! ワイングラスあった! と即座に購入を決めたものだったので、取り出して洗って布巾で拭く頃には、すっかり手に馴染んで、とても良い買い物ができたと嬉しくなりました。
この頃は、すごく嬉しい時か、自分を励ます時、いたわる時くらいしか、お酒を飲まなくなっているので、ワイン、ビール、マッコリという3択の中から、スパークリングワインのロゼをこのワイングラスに最初に入れるものにしました。
注ぐと、とても美しいピンク色にグラスが染まって、買って良かったとあらためて思いました。
写真にあるとおり、フレシネのセミセコ ロゼ カヴァが、一番、いまのカジュアルな飲み方に合っていて、小さな瓶で量もちょうど良かったです。
合わせたのは、ブルーチーズやカマンベール、チェダーのカットと素焼きナッツ。
それと、これは人に教えてもらったんですけれど、カルディで売っているピザ生地が美味しい、とのことだったので、さっそく買ってきて、一緒に買ったピザソースとシュレッドチーズを乗せて、トースターで焼いたのを食べました。
美味しかったですよ。
まだの方は、ぜひ試してみてくださいね。
何より、ピザ生地の安さにビビりました。
ワイングラスが部屋にやってきて、今回は、「ワイングラスが来たこと」を祝ったんですけれど。
そういえば長いこと、ほんとうに長いこと、日常の中で自分のために祝うということをしてこなかった気がします。
誕生日やお正月なんかは、ハレの日としてやってきていましたが、思い返すと、どこか疲弊している時間の中で、無理に祝っていたんですよね。
どうしてこんなに私の日常に、いま新しい風が吹き始めているのかは分かりません。
けれど、ワイングラスがやってきた。
そんな、小さな出来事をきっかけに、日々の中でもう少し、祝祭のひとときを増やそう。
そうすることを自分に許そう、と思いました。
いま、色々なはじまりの時間にいらっしゃる方が、ここを読んでくださっているみなさんの中にも、多くおられると思います。
それは新生活だったり、いままでとは違ってしまう時間の始まりだったり、特に変わらなくても、数年前、私たちの生活を突如として変えてしまった流れが、少しだけ動き出した中に、たくさんの方がいるのではないでしょうか。
その中で、いつのまにか手放してしまった時間、手放さざるを得なかった時間について、初夏に移り変わる季節の中で、もう一度、考えてもいい時期に差し掛かっているのかもしれません。
私にも、この先、この時間がどうなるのかは全く分かりません。
けれど、静かに笑いあい、再会や日々の中のささやかなハレを祝う時間を、手放してしまっていたこと、そのことに気付かぬフリを、もう私は、やめることにしました。
そう決めたら、
新しいワイングラスの中で小さく弾ける、無数のピンクの泡の音が、祝いの拍手のように聞こえた気がしました。
それでは、素敵な日曜日をお過ごしください。
↓ワンクリックしていただけると、はげみになります:)