休刊 キム・ソクジン


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休刊 キム・ソクジン 
おかえりなさい、JINさん。
ARMYさんおめでとうございます!:)

2021/05/18

9月には帰らない ー 松任谷由美

 


 

気がつくと、私の周りから姿を消していたものの中に、バタークリームケーキがあります。

 

 

・・・大体なにやってるか、お分かりになったと思いますが(笑)

そういうイベントです。よろしくお付き合いください。

 

 

バタークリームケーキに話を戻すと、決して好物だったものではなかったんです。苦手な味で。

理由は、「想像していたケーキの味とは違った」から。

 

想像の味というものがありますよね。

ここで触れた「あの味」とはちょっと違って、最初に何か食べてその味が記憶にこびりつくのではなく、最初から想像している味。

 

私の場合、ケーキは「ぐりとぐらのパンケーキ」の味への想像だったんです。

通常の生クリームのケーキからすると、ずいぶんさっぱりした味を想像したものだな、と我ながら思うんですが(笑)。

 

とにかくケーキといえば、こんな感じだろうな、と、なぜか、「ぐりとぐらのパンケーキ」を読んで思い込んでしまい、初めてケーキを食べた時に、想像とあまりに違う、バタークリームケーキの味に、苦手意識を持ってしまったんですね。

 

そのあとも、食べてみたいなぁと思う想像の味のケーキは、赤毛のアンで、マリラが作るめくるめくケーキ達だったり、アンが特別な日に作る、赤いゼリーをはさんだスポンジケーキだったりして、こういうのは手作りじゃないと食べられないんだな、とうらめしく思って、指をくわえたままだったんです。

(だから「赤毛のアンのお料理ノート」をずっと持ってるわけですね。)

 

なので、私の中で、デコレーションケーキってそんなに価値が高くなかったんです。

それが、保存方法が発達して、誰でも、生クリームのケーキが食べられるようになって、何かの記念日とかに食べてみたら、

「こりゃ、すごく美味しいものだな!」←笑

と思って、いまに至ります。

 

それは「想像の味」を「現実の味が超えた瞬間」でもあったわけです。

同時に、私のバタークリームケーキの味は「記憶の味」となってしまい、そのまま自分でも特に意識することなく、おいしい、おいしい、生クリームのケーキライフが続いていたんです。

 

それが、今年の1月ごろに、セブンイレブンから、「バタークリームケーキ」という小さなプリン型に入ってるケーキが売り出されたんですね。

 

 

それを見かけたときに、「そういえば・・・バタクリームケーキってずっと食べてないな」と思ったんです。

苦手な味だったということは、すっぽり抜け落ちてて、デザートコーナーにあるバタークリームケーキを見ている私には、ノスタルジーだけがわき起こっていたんです。

 

それで、買って帰って、食べてみた瞬間、まさにバタークリームケーキの味で、よく復元したものだな、と驚くほど、それはバタークリームケーキの味がしたんです。

と同時に、すさまじい勢いで、本当はしてない、「記憶の中の胸焼けの味」がよみがえってきて、

「ああ!そういえば苦手だったー!」

と、バタークリームケーキをひとすくいしたスプーンを持って、固まってしまったことがあります。←失笑

 

結局、「これは記憶の味で、いまは、口の中に広がってない味だ」とすぐに気がついて、せっせと口に運んでみると、大人になってから食べる、等身大のバタークリームケーキは、こくがあって後味はスッキリしている、おいしいケーキだったんですね。

 

なので、ああもう、あの記憶の味というのは、私の中に残る錯覚の味だったんだ、と思い当たって、その「胸焼けの味」は、「バター風味のおいしいケーキ」に、無事、上書きされました。

 

いまはバタークリームケーキも好きです。

ただ、残念なことにセブンイレブンで現在は取り扱いがないので、またどこかで見かけたら、今度は、「あの味」として、バタークリームケーキを食べてみようと思います。

 

 

 

 

 

 

表題曲は松任谷由美で「9月には帰らない」

いま5月ですけど(笑)。

なぜか私の中で、少女期を思いおこすのは、この曲なんですよね。

それで選びました。

タイムリーではなかったんですが、これも記憶にまつわる、

ノスタルジーがなせる錯覚の1つかもしれません。

アルバム「紅雀」に収録されています。

 

Spotify iTunesで配信中です。

 

 

 

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