よくわからないもの枠というものを、ひとつ、インテリアに設けています。
そんなにインテリアに凝るタイプでもないし、部屋もこぢんまりとしているので、そうそう置き物も増やせないんですね。
最初はそれでも、気に入った小さなオブジェとか置いていたんですけど、だんだんと淘汰されていって、現在は「よくわからないもの枠」として、ひとつ、いまはダイニングテーブルの上に置いています。
何かというと。
猫が伸びをしている絵がついている、紙の小箱です。
元は、頂き物の美味しいチョコレートが入っていた箱なんですが、何かものを入れるには小さいし、または大きすぎるし(切手を入れようとして断念)、立てて飾っておくにも絵が小さすぎる。
どうしようかな、と思った時に、なんとなくなんですけど、ちょうど置き物が何もなかった時期だったので、しばらくテーブルの上に置いておいて、後でどこかに飾ろうかな、
と思ったんです。
で、結局、そのままテーブルの隅に住所が決まって、置いてあります。
よくわからないと言っても、箱っちゃあ箱なんですが。
この大きさといい、絵のサイズといい、あまり可愛すぎない猫の描かれ方といい、気持ちがイラついた時とか、ナイーブになってしまった時に、ちょっと目をおいてみたり、手にとって眺めると、ざわついてた心が静まるんです。
何か特別な効果が、その小箱や絵にそなわってる訳もなく。
たぶん、なんでもないもの、だから、いいんだろうなと考えています。
何か思い出があったり、意味が強かったりすると、そういう効果は、私には出なかったんじゃないか。
むしろ、理由もあまり無く、目的も宙ぶらりんなまま、の、よくわからない理由で、なんとなく放って置いた小箱。
そこに描かれている、特に役に立つわけでもない、私の好みを刺激するわけでもないもの。
そんなもの、だから、よくわからないもの枠として、
現実空間に、ぽん、と空白を作ってくれて、ちょっと息を抜けるんじゃないかなと、思っています。
表題曲は、松田聖子の「白いパラソル」
シングルカットされていたんですが、「風立ちぬ」に収録されています。
こちらは作曲は財津和夫 作詞は松本隆となっています。
”風を切る ディンギーで さらってもいいのよ”
(松田聖子 白いパラソルより)
というフレーズで、今日の曲に選びました。
そういうマニアックなお楽しみとは別に(笑)
聖子さんのラブソングとして支持されているのは、「赤いスイートピー」が有名ですけど。
私はこの「白いパラソル」も、ラブソングとして、1級品だと思っています。
少し冷たい彼に向けての、とまどいと、恋から愛へ変わっていく、繊細な時期を歌っているものなんですが。
聖子さんのヴォーカルと、素晴らしいメロディと歌詞が、さりげない切なさを伴って、聴いているものの心に訴えかけてくるものがあります。
この、シリアスになりすぎない、絶妙なポップスとしての、「さじ加減具合」は、聖子ポップスと呼んでいいのなら、その中でも白眉ではないでしょうか。
Spotify iTunesで配信中です。
お帰りの前に応援のワンクリックをお願いします。