音楽の聴き方って、人によって全然違いますよね。
その違いを私は、わりと清々しい違いというふうにとらえています。
たぶん、音楽が持つ、自由なスピリッツの盤の上での話だから、だと思うんですが。
大きく分けると、単曲のみを聴いて追っていくタイプと、アルバムを聴き込んで追っていくタイプとありますが、私はどちらでもあるけれど、強いていうなら、アルバムを聴き込む派です。
理由は、その曲の魅力を好きになるというより、アーティストの作家性を好きになることが多いから。
アルバムって、私にとっては、そのアーティストの作品集なんですよね。
小説でいう短編集と同じ受け止め方をしていて、そのアーティストがいま出してくる作品の集合体を、アーティストがアルバムという形式で発表する、というスタイルが好きなんです。
だから楽曲もですけれど、収録されている楽曲の順番とか、アーティストによってはスキットの入れ方とか、ボーナストラックが何秒後に始まるのか、とかも、作品としてのアルバムの重要な要素として、聴いています。
また聴き込むことで、最初はそうでもなかった曲が、じわじわと身体に沁み込んでくる体験も、アルバムならではの捨てがたい喜びだったりします。
それで音楽の幅が広がるかどうかはわからないんですけど。
そもそも幅を広げるために聴く、という目的は、私は持っていません。
聴きたいからアルバム形式で聴く、というシンプルな動機のみのです。
ただ、昔、ちょっと面白い音楽体験をしたことがあって。
学校に通っていた女子だった頃に、休み時間にその時流行っていた歌を歌うっていうのが、流行ったことがあるんですね。クラスの局地的な流行として。
で、流行っているけれど、特にそんなにいい曲だなぁと思ってなかった曲を、クラスメイトと1緒に、ノリで歌ってたんです。
そうしたら、声に出してメロディを胸に響かせて歌ったことで、ナニコレ、すごいいい曲じゃん!とびっくりしたことがあったんです。
で、それをクラスメイトに言うと、同じことを言ったんです。
「そうでもなかったけど、歌うといい曲だよね!」って。
で、それまでは、興味のある曲しか聴いてなかったし、アルバム聴きはしていたけど、正直、好みじゃない曲は、「せっかくアルバム買ったんだし(借りたんだし)、もったいないから聴くか」という姿勢で、聴いてたんです。
それでだんだん耳に馴染んできても、それは”慣れ”だろうと思ってたんですね。
でも、その体験をしてからは、聴き込むことで、その楽曲の魅力がじんわり沁みてくることがあるし、歌うことで、歌詞の持つ言葉の響きがメロディと一体になって、身体(脳)に流れ込んで響くことで、音楽としての魅力を発揮する事もあるんだ、と経験していったんです。
それで、追っているアーティストのアルバムが出たら、大袈裟でなく、軽く2桁は回るくらい聴き込む聴き方を私はしています。
それで音楽的ななんらかが成熟していくとは、全く思ってませんけど。
なんか100本ノックみたいだな、と思いながら、聴いてます(笑)。
ただ、確かに、聴き込むことによって、何か違う岸辺に連れて行かれることはあるんですね。
なので、その音楽体験が好きなので、アルバム聴きをしています。
でも、そうはいっても、同じアーティストのアルバム何枚か持ってて、アルバム聴き込むのが終わったら、自分で、今でいう「俺プレイリスト」を作って、勝手に気に入った曲を放り込んで、「自分コンピレーション」にして聴いてたりしてたんですよね。(いまもしてます)
だから単曲で、音楽を揃えていく人の気持ちも、けっこうわかります。
この「俺プレイリスト」(マイプレイリスト?)って、よく巷(ちまた)で売られている、オールタイムベストとは違うんですよね。シングル曲だらけのベストとも違う。
琴線に引っ掛かった曲群のプレイリストなわけだから、それはその人ひとりしか作れない、プレイリストなんですよね。
それは、人のを聴けるっていうのもすごく面白いですし(いまスポティファイがやってますよね)、自分のプレイリストって、個人の音楽体験データの現れなので、やっぱり外せないものになっていくんですよね。
私の場合は、天気、季節、時間によっても、プレイリスト作ってますし、アルバムによっても、この時、流す音楽〜っていうノリで、部屋でかけたりしてます。
ドライブ用ももちろん作ってあります。
最近では、そういうシチュエーションコンピアルバムとかも、いっぱい出てるみたいですね。
私はもっぱら、手作り派ですけど。
・・・、オタクじゃないですよ?(笑)←いや違うけど、ある意味ナード気味だよ。(ナード最高!)
なので、単曲聴き、アルバム聴き、どっちがどう?っていうのは、私は、「そんなの人の勝手派」なのでした。
表題曲はカルヴィン・ハリスの「Funk Wav Bounces Vol.1」
近年のミュージシャンが仲間内で集まって作ったコンピレーションアルバム(と呼んでいいんですかね)としては、白眉の名盤だと私は思っています。
参加ミュージシャンも、フランク・オーシャン、ファレル・ウィリアムス、アリアナ・グランデ、カリード、トラヴィス・スコット、スヌープ・ドッグ、ケイティ・ペリー、ニッキー・ミナージュ、などなどなど。
錚々(そうそう)たるメンバーが集結した、奇跡の1枚となってます。
私は雨期から初夏、真夏にかけて、このアルバムを出してきて聴いています。
カルヴィン・ハリスには、またこういうアルバムを作って欲しいです。
Vol.1ってあるから、続くと思ってるんですけど、まあ、ゆっくりじっくり待つ気でいます。
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