日曜日なので、穏やかな内容を書いています。
知らない街になんとなく行くのが好きです。
旅という程ではない、少しだけ足を伸ばした街や町に滞在し、そこに暮らしている人と訪問した自分達と少し紛れるような、そういう滞在の仕方を若い頃からよくしていました。
旅!と銘打つような感じでもなく、正直どうしてそこに行こう、と思ったのか、お互いよくわからないまま、あまり話したりせずに、2日ないし3日の滞在を過ごす。
そういう事が好きでした。
そういう事が好きでした。
非日常でもなく、日常でもなく、よくわからない時間を少し、往く。
それを若者になり、お金が自由になった時からずっと続けています。
特に名前をつけていないので、それが一番静かに着地しているんでしょうね。
そこでは何というわけではなく、衝撃的な体験でもなく、ちょっと驚いて、わぁ、とささやかに顔を見合わせたことがいつまでも残っていたりします。
その中の一つに、どうしてこの場所のことを私は忘れないのだろう、という所があります。
それを若者になり、お金が自由になった時からずっと続けています。
特に名前をつけていないので、それが一番静かに着地しているんでしょうね。
そこでは何というわけではなく、衝撃的な体験でもなく、ちょっと驚いて、わぁ、とささやかに顔を見合わせたことがいつまでも残っていたりします。
その中の一つに、どうしてこの場所のことを私は忘れないのだろう、という所があります。
小さな寂れた街に行った時、あまりに感傷的なものに包まれてしまって、それを自覚して言葉に出すのも少し遠慮してしまって、二人で街外れに自然と向かったんですね。
夜はもう、普通の私達が過ごしている街の日常みたいな事をしよう。
今回はちょっと失敗だったかな?
なんて、後悔に似た淡いものを胸に、車は自然と小さな丘へ入る道にハンドルを切り、やがて細い道に差し掛かり、坂に移り変わっていく道を登っていきました。
だんだん、それは明らかに私道になっていき、
ここは入っていいのだろうか?
と可笑しいような、
なんだか若いってこういう事だよね、
と今だったら、そこから随分先の未来に居る私が、大切な人に話し、顔を見合わせてクスッと笑うような、そんなことになっていき、感傷的なものから離れたかった当時の私達は、本当にホッとしたんだと思います。
あ・・・、と思いながら、それぞれ目だけ動かして
「ここは私道です。立ち入り禁止です。」とか「迷惑なので入ってこないで下さい。」とか、もし書かれてたら、どうやって引き返すのだろう?
これ、明らかに一車線分しかない細い道だし、フロントガラスの先の全然手入れされていないアスファルトは褪せているし、でもしっかり道は続いている。
困ったな、これ違ったら、バックで今までの1時間を帰るのか?
困ったな、これ違ったら、バックで今までの1時間を帰るのか?
と黙りこくって二人で可笑しいのをこらえていると、ふと、道が開けて駐車場のような所に出ました。
それで安心して、景色でも見ようよ、と、普段、別に価値を見いだしていないことをやろうと言い出して、車から降りると、少し下に、芝生で手入れされた随分と広い場所があり、その奥に白い洋風の単なる家が建っていました。
丘と言っても、もうこれは小山ではないか? という所で、周囲は雑木林が茂り、眺めの先には橋と小さく光る眩しさに覆われた海と向こう岸の都市が見えていて、とても晴れていました。
そういう、この世の果てのような静けさの中で、あ、と思う場所があったんです。
芝生は少し濃くて、家は木造の洋館で、白いペンキで綺麗に塗られて、おそらくは誰か住んでいる。
芝生だけの広い庭には他に何も無く、ただ芝生が見たいから芝を敷いているんだな、とすぐ分かりました。
芝生は少し濃くて、家は木造の洋館で、白いペンキで綺麗に塗られて、おそらくは誰か住んでいる。
芝生だけの広い庭には他に何も無く、ただ芝生が見たいから芝を敷いているんだな、とすぐ分かりました。
二人とも無言で、そこを見つめていました。
見ていると、ふと芝生の先の、あまりにも丁度いい所に、薄い木製の白い飛行機が、細く長めの黒い鉄の棒を立てた上にありました。
海外の人だろうか、と思った後、近くに行こうか迷って、結局、行かない方がいいと何も言わずに二人で判断し、言い訳代わりに、近くにいく道もないしね、と私もおそらく隣の彼も思って、また車に戻ってそこを降りていきました。
その後何度か、また行こう、行こうと口に出すんですが中々予定が立たず、かといって、必ずという程約束にもなっていかない。
結局そのまま、やがて私達は別の時間に入っていきました。
まったく別の人に、ふとその家の話をしたら、妙に分厚い沈黙を醸し出してくるので、
まずい話題だったかな? 前のパートナーとの話だし分かっちゃったかな? でもそんなことで怒ったり、不愉快になる人でも無いし・・・、
と、ただ、???と思っていると、
「そこ知ってる。」
と答えたんです。
驚いていると、
「有名な所なんだよ。」
と言われ、なんだかその場所への私個人にとって強い引力を感じたのを覚えています。
それで盛り上がって、その人ともう一度行ったんですが、今度は入る道が分からず、なんとなく下から見上げた雑木林の先の先に、そこがあるのは雰囲気として感じられるのですが、行けなくてそれきりでした。
やがて、いつかの瞬間でその人と再会した時、ひと通りの近況報告をした後、じゃあこれで、と立ち上がろうとしたら、
「そこ知ってる。」
と答えたんです。
驚いていると、
「有名な所なんだよ。」
と言われ、なんだかその場所への私個人にとって強い引力を感じたのを覚えています。
それで盛り上がって、その人ともう一度行ったんですが、今度は入る道が分からず、なんとなく下から見上げた雑木林の先の先に、そこがあるのは雰囲気として感じられるのですが、行けなくてそれきりでした。
やがて、いつかの瞬間でその人と再会した時、ひと通りの近況報告をした後、じゃあこれで、と立ち上がろうとしたら、
「あの場所、結局無くなったんだって。引っ越されたらしいよ」
と言われました。
と言われました。
何故そんなことを言うのだろう?
私にとって、大切な場所ということになっているんだろうか?
私にとって、大切な場所ということになっているんだろうか?
と訂正しようと思い、立ち上がってさっさとレシートを取ろうとしているその横顔を見た時、ただ単に世間話として言っているのが良く分かり、ああ良かった、と黙っていました。
結局、その家は私の中にただ残り続けています。
そして時々、心の中でふと浮かび上がります。
誰が住んでいたのか、どんな部屋の中だったのか、いつまでも分からないまま。
時々、インテリアを考えるとき、気圧計を探しているとき、私はひょっとしてあの家の中にあっただろうものを再現しようとしているのかな?
結局、その家は私の中にただ残り続けています。
そして時々、心の中でふと浮かび上がります。
誰が住んでいたのか、どんな部屋の中だったのか、いつまでも分からないまま。
時々、インテリアを考えるとき、気圧計を探しているとき、私はひょっとしてあの家の中にあっただろうものを再現しようとしているのかな?
と、通り過ぎたささやかな風に気付くように思う時もあります。
おそらく、あの家と広い芝生とその先に立てられた細く長い棒の上にあった白い飛行機の場所は、ずっと時間が流れ続けているから、なんでしょう。
おそらく、あの家と広い芝生とその先に立てられた細く長い棒の上にあった白い飛行機の場所は、ずっと時間が流れ続けているから、なんでしょう。
あの晴れた、妙になんとも思わない中でただ単に、あ、と口に出さずに見つけた、ただ繰り返す日々の中に現実として在った、いつまでも新しく時間が流れ続ける場所として、その家が私の心にあります。
大切な人と安心してただ一緒に居る時、なんとなく雨が降る窓の外を眺めている時、その場所は私の中でそっと姿を現します。
少し自慢するなら、思い出としての完璧な在り方として、私の中で時を流し続けているのだろうな、と黙って満ちていきます。
未来の私が少しの可笑しさを噛み殺しながら、
「・・・景観を見ないの?」
と当時を思い出し、晴れ渡った風吹く気持ちと共にありながら。
再会し共に進む、唯一の人に捧ぐ。
少し自慢するなら、思い出としての完璧な在り方として、私の中で時を流し続けているのだろうな、と黙って満ちていきます。
未来の私が少しの可笑しさを噛み殺しながら、
「・・・景観を見ないの?」
と当時を思い出し、晴れ渡った風吹く気持ちと共にありながら。
再会し共に進む、唯一の人に捧ぐ。
寒いですね。
まるまる一週間強、寒波が来続けていますよね?
私の住む街も昨日はマフラーが必須の気温でした。
HSPの方々は気象病と呼ばれるものからの影響は大丈夫ですか?
私は大変でした。今日くらいから大分治まって来ましたが、とうとう気圧計を購入することにしました。
びっくりしましたよ。
今回は頭痛はほんの少しで、後はひたすら調子が悪く痩せました。
世の中も大騒ぎなことが次々に起こり続けていて、家の中を整えて静かにしていようとしているのに、寒波の影響を受けて、思うようにならず、がっくりしています。
とにかく寒いので、暖かくして、風が強い日も荒天の日も外出は避け、周囲が騒がしいときは、自分の居るプライベートで静けさの中に居ると、大分違いますよ。
それでは、素敵な日曜日をお過ごしください。