O先生によるエナメル紹介



ブログ更新通知機能付きRSSリーダー - ブログチェッカー
https://play.google.com/store/apps/details?
id=com.skelabo.blogchecker&pcampaignid=web_share

うっかりカツカツやって来て、うっかり居ない。( By O.)
 

2025/03/02

冬山について・本日の雑感(不定期)

今回は、とてもセンシティブな内容を書いておりますので、苦手な方は読まないようにしてください。

 
私は、1時期、もの凄く寒い陸の孤島のような所に住んでいました。
現実での自分の来歴は今後も公表しないんですが。
そこは、登山を趣味とする方々にとっては聖地のような土地で、登山家、通称:山屋達がトライする非常に有名な山がありました。
 
特に冬は、毎年、ローカルニュースで必ず、どこかの大学のパーティが遭難し、このくらいの季節には、小パーティが雪崩に遭い、命を落とす報道が流れるのが日常でした。
当たり前に、冬のレジャーでも死者・怪我人が出る、そのニュースも流れるそういう土地でした。
 
なので、私は山はやらないんですが、登山の第一条件を知っているんですね。
 
登山の第一条件はご存じですか?
「生きて帰ってくる。」です。
 
いいえ、これです。
理由は、これしかないからです。
 
美しいですよね。冬の山って。
特に雪山は、それはそれは美しい光景なのが私の1時期の日常でしたから、登山を否定するつもりはないんです。
紺碧を背に荘厳な景色が広がり、そこを踏むということが、何か大きな人生への賛歌となる。
それくらいは私にもわかるつもりです。
山はやりませんが、そこが絵はがきになって世界中に存在しているからです。
 
それでどうも2025年の日本で暮らされている方々は、このことをご存じないようでしたので、情報を繋げるために書こうと思いました。
 
毎年、死者が出る冬山へのアタックですが。
地元で暮らす者達はどんなリアクションをしているかご存じですか?
全員、反射的に、「だから何故入ったんだ!」なんですよ。
 
人に迷惑をかけて、とか、物好きな、とか、救助に費用いくら掛かると、なんて思っていません。
何故、冬の山に入ったんだ!  なんですね。
 
皆さんは、山は冬に入山してはいけないことを、あまりご存じないかもしれません。
理由は、人死にが出るからです。
雪がなくても、冬山への入山は禁止されています。
入ると、低体温で死亡するからです。
 
だから山開きという言葉が、昔は普通に世の中にありました。
私が居た地域では、だいたい5月末とか7月直前とか、そういう時期からだったんです。
山に入れるのは。
つまりその時期から、山は秋が早いですから10月にはもう入山は禁止されるんです。
10月末から11月頭には冠雪しますし。
 
それで人死にを出さないために、登山どころか山に入ってはならないルールがあるんです。
厳格なルールです。
 
それは入山許可証を提出する山の入り口にある施設に書かれていたはずですし、 秋半ばにはその小屋すら人が居なくなりますから、門が閉まっているんです。
入れないように。
当たり前に車も入れません。
それくらいあっという間に雪が深くなるんです。
 
大げさではなく、秋頃から山に入るのは慣れた方でないと非常に難関ですし、プロの登山家でも事前訓練と体を慣らして徐々に高度と寒さへの備えをする前日程を組んで、それでも雪が早かったら、今回は入ってはならない、と止めて帰るんです。
 
山へのロマンを否定しません。
だから大学に山岳部があり、高校にも登山部があり、大学であってもベテランの引率と地元の本気のガイドの判断に従って、入山するかどうかを判断するんですから、そりゃロマンですよ。
そういう困難をくぐり抜けて登頂し、仲間と結束を深め、下山する達成感は素晴らしいでしょうし。
けれど、多くのプロの登山家達は、海外の山峰に挑み、生きて帰ってませんよね?
 
なのにプロでもない方々が、どうして夏でも危険で地元のガイドを有料でお願いして行かなきゃならない所に、冬に、禁止期間に入って、帰って来れると思うんですか?
しかもこれを書いているのは3月ですけれど、山やってるのに、なぜ雪崩は1月からだってことを教えないんです?
雪が溶けるまで雪崩ですから、5月まで雪崩ですよ。
 
それで毎年毎年、怖ろしいニュースが流れる度に、「だから何故入ったんだ!」と全員が顔を強ばらせるんです。
 
余談ながら、2011年の震災の時には、被災していない人々は、非常に他罰的になっていたし、他罰的にならなかった人は、異様なまでに他者に優しくなっていました。
その傾向は、2025年の今でも続いていますので、私がこういう具体的なことを書くと、またどなたかが他罰の餌食になりかねないので、誰かを責めて解決する話ではないことを、下に住んでいる人間は全員知っている、ことを強調しておきます。
 
きのこ狩りからもう低体温と、山の雨と霧(っていうか完全に雲海)にまかれて遭難してるんです。
そりゃそうでしょう。
両手を伸ばした指の先が見えないのが普通なんですから。
なのに、その軽装で軍手して入るんですから、電波が通じる現在であっても見つけてもらえるかどうかは、賭けです。
 
そういう物凄い山にアタックする前に、その山が一体どこにあるのか、どこから計ってその高さだとされているのかを、きちんと知った上で、「やっぱり止めましょう。」と口に出しましょう。
 
夏山にザイルが必要不可欠な登山のケースも含めて、私は書いています。
低山の高度はほとんどが高山病を発症する高さなのが、その土地の低山です。
 
登山の第一条件は、「生きて帰ってくる。」だけです。
 
したり顔で書いて申し訳ありませんが、冬山に入ったら死ぬ、生きて帰って来れるのはラッキーな人達だけ、と書いておきます。
秋冬、5月に春が来るまで、ガイドは休みです。
 
以上、 冬山について・本日の雑感(不定期)でした。
 
 
 
20250302 23:25 誤字と文章を直しました。