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休刊 キム・ソクジン 
おかえりなさい、JINさん。
ARMYさんおめでとうございます!:)

2023/11/05

空想旅行という趣味


 
空想旅行というものをもうずっとやり続けている。
物心ついた時からやっているので、多くのプロ職業人達が嫌がる「大家(たいか)」の意味を持つ「家」という字を語尾につけて、空想旅行家としてもいいだろう、と思う。
そう思ったので、この投稿文を書き終えたら早速当ブログのプロフィール欄に、こっそり空想旅行家と書き加えるつもりだ。
 
この空想旅行家という言葉は、先日、家族ととりとめのない話をしているときに、頭の中で急ごしらえで作った造語だ。
急ごしらえなので、華美な字面のわりに凡庸な言葉だ。
おそらく誰もが発想できる範囲を出てもいないだろう。
検索して調べていないので、同じ空想旅行家を名乗っている方がおられれば、ただの偶然の一致である。
偶然の一致なので、どちらが本家でどちらが元祖か、よくある隣り合った菓子屋のようにいがみ合ってみても面白いが、元来気が小さいので、そうまた想像して楽しんでいるだけにとどめていようと思う。
 
空想旅行とは何か、というと、いろいろな空想旅行がこれまた空想の範囲でいくらでもあるだろうが、私の空想旅行は、物語の挿絵を見て、ここはこんな世界だろう、という想像や、近年では、世界各国の有名都市の特集記事や写真エッセイなどで、その街の人たちの暮らしを案内する、本格的な日常情報と旅行情報を見て、ここはこんな所だろう、ここはこんな人達が暮らすのだろう、これはこういう人がこのような部屋で何時ごろ飲むお茶の支度だろうと、ただ考えるだけで、実際に彼の地に旅行しようと微塵も思わなければ、考えもしない、アームチェアディディクティブならぬ、室内旅行のことだ。
そういう手合いのことを総じて、空想旅行家というのだと、いまこれを書きながら決めた。
 
空想旅行家のメリットは、一銭も手出しをしないで良い、ということに尽きる。
そして、疲れない。具合が悪くならない。何が楽しいのかさっぱり人に理解されない、という優越感を味わうことができる。これはなかなかレアな悦楽である。
デメリットは、思い出に残らない。美味しいものが食べられない。滞在中の食事は過去に食べたことのあるものの中で全て代用しなければならない。という経験値がものをいう、飽きようと思えばすぐ飽きてしまう点だ。
 
ところが空想旅行家を名乗るくらいなので、私はこの趣味にいっこうに飽きが来ない。
飽きもせず、気が向いたら、月の小遣いの中から、Amazonで素敵な写真のあちこちの街や町の写真入りの冊子を見つけては、ひっそり購入して、起き抜けのお茶の時間、寝る前のお茶の時間に、パラパラとめくっては、現実に存在しているけれど、どこにも存在しない私だけの街をうろついて楽しんでいる。
 
空想旅行家には別名があり、それは変わり者という名だ。
優しく言うと個性的でもいいかもしれない。
だが、変わり者も個性的もプロフィール欄に書くと、非常にカッコつけた感じなってしまうので、もういっそのこと絢爛な漢字をあてて、より凡庸な感じにすると、私の小物感が一層際立つので、空想旅行家とささやかに名乗り始めた次第である。
 
20231105 15:50 空想旅行家 エナメル
 
 
追記
私に海外旅行の経験がないのは、そういう理由です。すみません。
優しく、親切で明るい気持ちからの、私のようなものへの過ぎたお心遣いに、最大の感謝を込めて。