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おかえりなさい、JINさん。
ARMYさんおめでとうございます!:)

2023/11/21

Let's listen to Taeko Onuki, shall we? <大貫妙子を聴こうじゃあないか> *** 第9夜 ベジタブル ***

 
Let's listen to Taeko Onuki, shall we?
<大貫妙子を聴こうじゃあないか>
*** 第9夜 ベジタブル  ***
 
 
 
 
 
 

 

 

 

ベジタブル / 大貫妙子 (Taeko Onuki)
作詞:作曲 / 大貫妙子 (Taeko Onuki)
編曲 / 坂本龍一 (Ryūichi Sakamoto)
アルバム 「copine」収録
 
クレジット Wikipedia ベジタブル より
 
 
 
意外にも、ベジタブルを当ブログで取り上げるのは初めてです。びっくり。
 
こちらは、シングルカットされていた曲で、この楽曲で大貫妙子のことを連想する方は結構おられるのではないでしょうか。
 
C M曲で、日本が誇るコスメブランド資生堂のルージュの宣伝に使用されていました。
私は、当時のこのC Mは観ていないと思うんですが、どうしてか口紅の宣伝に使われていたことは知っていて、大貫妙子が手がけた美しい語句が散りばめられた歌詞に、美しいものへのイメージをよく膨らませています。
2023年現在でも、私のフェイバリットソングのひとつです。
 
大貫妙子とアレンジに参加している坂本龍一が、年月に耐えうる強度を、この楽曲に込めたのだな、と感じていますし、多くの方々にとっても、春を祝福する楽曲としてお馴染みなのではないかと思います。
 
 
「降りしきる花びらで
 街中 夢から醒めたら」
 
ベジタブル / 大貫妙子(Taeko Onuki)より
歌詞提供 Misixmatch 様
 
ベジタブルの詩の中で、「降りしきる花びら」というセンテンスの美しさ、典雅さといったらないんですけれど。
 
こちらのイメージは、いったいどこから大貫妙子の頭の中の世界にやってきたのだろう。とよく考えていました。
 
日本では春になると桜が咲き誇り、白く小さな花びらを散らす景色に、見た人は皆、胸を膨らまします。
 
この景色がイメージ元となって、降る花びらというものは、冬の寒さに眠っていた世界を目醒めさせる、という、楽曲の物語世界の土台になったのだろうか。
 
または、詩人:八木重吉(Jyūkichi Yagi)の詩集「貧しき信徒」にある、「花がふってくると思う」という詩篇からのイメージだったのだろうか。
 
と、八木重吉を読んでいた頃は、偶然なのか、この世界からのウィンクなのか、と胸ときめかせたものです。
 
花がふってくると思う 八木重吉
 
花がふってくると思う
花がふってくるとおもう
この 手のひらにうけとろうとおもう
 
八木重吉 「貧しき信徒」より
八木重吉詩集 鈴木 亨 編
1967年12月10日 株式会社 白凰社
1992年 1月20日 新装版 第16刷P61より抜粋
 
Wikipedia 八木重吉 (Jyūkichi Yagi)
 
 
「花がふってくる」のは、夜だと思うか。昼だと思うか。
そういう話をしていたことがあります。
 
感性が鋭く、服のセンスがとにかく抜群に秀れていたその人は、「夜だと思います」と言いました。
私は、昼だと思う、と言ったんですが。
それを言われた後、夜に花が降ってくる方が美しいし、何より画的にも完成されている。
と、自分のセンスの無さがとても恥ずかしかったことを記憶しています。
 
確かそれ以降は、彼女を真似て、夜だと思う、と言っていたんですが、そもそも、私は、どうして昼だと思ったのだろう、と考えると、ベジタブルを聴いていたからだ、と今日、ベジタブルについて書くために、あれこれ情報を準備している時に、はた、と気がつきました。
 
八木重吉が見ていた花は、白だったのだろうと私は思っていたんですが、それは花であって花びらではありません。
けれど、私はどうしても、「花が降ってくると思う」と空を見つめている時に降ってくるのは、花びらのように思われてしかたありません。
 
この差異は、祝福が降ってくると思う感覚と、報せが降ってくると思うという感覚の差なのではないかな、と思いながら、この絢爛でもあるベジタブルという楽曲をうっとりと聴いています。
 
 
 
以上、Let's listen to Taeko Onuki, shall we? <大貫妙子を聴こうじゃあないか> *** 第9夜 ベジタブル  *** でした。
 
 
 
それでは、また明日、日本時間では22時に、主にアメリカではだいたい朝の8時に、お会いしましょう!
 
 
 20231122 07:24 文章をなおしました。